村田町、小泉地区寒風沢(かんぷうざわ)という山奥に住まれている海子(かいこ)さん夫妻。
先輩移住者ということで、インタビューしに行ってまいりました。
海子さんは設計士。自宅兼建築事務所のアトリエという形で、約3年前から、奥さんと娘さんの3人で村田に移住し、暮らしています。
震災をきっかけに、「自分たちの暮らしは自分たちでつくりたい」と強く思うようになり、これからの暮らし方について検討していたところ、村田にたどり着いたお二人。
町の空き家バンクに掲載されていたこの家の景色に一目惚れをした。
居間から見る景色がすごい素敵で、S字の道路もたまらない。
来てくれる人のお見送りもできるのもいい。
庭にあるハクモクレンの木は春とか満開になった時には見事ですよ。
巨大な花束みたいな感じ。
あとは「大家さんじゃないと私ここに来てないと思う」と奥様も続けて話します。本当に大家さんが素敵な方で。「大家さんで決めた感じ」
「あの大家さんじゃなかったら決めなかったね」とお二人とも熱く話します。
風景に一目惚れしたって言いましたけれど、3年くらい経つとね、風景をつくる側に自分たちはいるんだっていう感覚になってくるんですよ。
都会からすると、風景が良いとか、緑がいっぱいとか、例えられる言葉って限られたりするんだけれど、ここにいると、言葉じゃない部分でコミュニケーションをしている感覚があるんですよね。
例えば、草刈り。人が刈った後の気配を感じられると、それに僕らは安心感を感じられるんだよね。
草刈りって大変なんだけど、刈った後の景色を見て、そこに気配とか思いを知らない内に通りすがりの人もなにか感じたり、なにか受けているような気がして。お客さんが来た時にさりげなく生け花を飾るとか、お茶を用意するとか、そういう世界に近いものがここにはあるような気がする。
あとは、「イノシシでたね」とか、その土地に住んでいる人同士が分かち合えるものがあって、同じ場所に住んでいるという大きな家族みたいな感覚がある。それって都会じゃなかった感覚の一つ。
「寒風沢(かんぷうざわ)」は風通しがいいところ。人も景色も。昔からの繋がりというよりは、比較的、移住者が多いような地域。
山奥というのもあって、寒風沢は一つの箱庭のようなイメージかも。
余白もあるから、自分次第でいろんな関わり方ができるし、自分でつくっていける環境にある。クリエイティブになれるポテンシャルがある場所。
今の暮らしって、お金に代わる価値を再構築している感じがある。今、その生活を自分たちに落とし込んでいるような感じ。ここにいると、人に頼らなくても、別に材料がなくても、周りにある竹や自然などのあるものから作れる。
ホームセンターに材料買ってくるねって出かける感覚で、後ろの竹林や山に行く。僕にとっては理想の環境で。建築事務所があって、工作室があって、材料が調達できる場所があって、人が集まってワイワイガヤガヤできる場所があるってすごい理想。
日々の暮らしの中で自然にいろんなスキルを身につけているのを実感するから「どこにでも住めるな」と思えるけれど、その反面、なかなかこういう場所には巡り合わないだろうとも当然思うわけですよ。
我が家は架空の居候が常に一人いるような「余白を持った家」がコンセプト。
これまでもいろんな場所で居場所づくりを行ってきてはいたけれど、ずっと自分の家を開きたいという思いがあった。
ここに暮らしてみて、一番よかったことは「人を呼べること」
あんまり肩ひじ張らなくても人を迎え入れることができる。
それは自分たちが頑張ってもてなさなくても、周りにいっぱい遊べるもの(自然)がたくさんあるから。
海子さんの理想の暮らしは「家を開くこと」。素敵なご自宅を開き、小さな繋がりづくりをコツコツとしています。
気軽に遊びに来て欲しいという思いから、なんとご自宅に「ブリコラージュハウス・寒風沢の家」と名前を付けたそうです!
寒風沢の家をきっかけとした活動はとても素敵で、魅力発信ブログでも紹介させていただいています。
海子さん夫妻の魅力がより伝わるんじゃないかと思います。
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